潰瘍性大腸炎の活動期には「何を食べればよいのか」、迷う人は多いと思います。  1日でも早く寛解期に持ちこむためにどんな食事をすればいいのか?この記事でその基本をご紹介します。



潰瘍性大腸炎、「活動期」の食事の”基本”

腸に炎症が生じて腹痛や下痢・血便が生じる潰瘍性大腸炎の活動期。仕事や日常生活にも支障をきたしてしまうこの活動期に、いったい何を食べればよいのか。毎日のことでもあり、本当に困っちゃいます。かと言って、たった1度の食事で症状を悪化させてしまうことだってあるので、軽視するわけにもいきません。

私自身、潰瘍性大腸炎と約10年付き合ってきた中で、何度も活動期を経験しています。私の病状は「中等症」で、薬が効きにくい「難治例」(※ステロイド依存例)タイプ。1度の活動期も半年~1年以上と長引きがちなので、食事に関してはいろいろ配慮してきました。

そんな私が潰瘍性大腸炎(=UC)の食事に関する『王道』を見つけるべく、試行錯誤してきた中で見えてきた「食事の基本」をご紹介したいと思います。

結論から言うと、活動期の食事の基本は、

  • 「何を食べるか」・・・ガイドライン通り
  • 「どう食べるか」・・・よく噛んで

です。

え、それだけ・・?と拍子抜けされちゃうかもしれませんね😅


では基本の1つめ「何を食べるか」について深掘りです。

潰瘍性大腸炎(=UC)の活動期の人の食事に関する情報は、探せばたくさん出てきます。「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究(鈴木班)」が作成している「炎症性腸疾患患者さんの食事について Q&A」というパンフレットでは、UCの活動期の人の食事として

  • 高脂質なもの
  • 食物繊維の多いもの
  • スパイスなどの刺激物
  • アルコール、コーヒー、炭酸飲料
  • 乳製品※1

などは避けるべきとされています(※1.牛乳を飲むとお腹がゴロる人は避けるべき)。これらは炎症のある腸へダメージを与え、炎症を悪化させてしまうことさえあります。活動期の私がこれらを口にして、翌日後悔した…という経験は数知れず。少し具体例を挙げてみますね。

  • すき焼きの牛肉(高脂質)…翌日、明らかに下痢が悪化。基本的に牛はどの部位も脂質は多め。
  • ほうれん草のおひたし(食物繊維)…茹で時間が一般的な葉ものは消化に相当悪かったようで、下痢に加えて出血も。
  • こんにゃく粉が入ったゼリーのお菓子(食物繊維)…蒟蒻◯など、こんにゃく粉が入った一口サイズのゼリー。脂肪分もなく、食べても大丈夫そうと思ったのですが、翌日下痢が少し悪化。
  • コーヒー(カフェイン)…コーヒー狂の私でしたが、やめてみました。するとコーヒーを飲んだ後に感じていた、わずかなお腹の調子の悪さがなくなりました。

振り返ってみれば、避けるべきと言われているものばかりでした。やはりこのような食事はトラブルのある状態の腸にはかなり大きなダメージになるようです。

もちろん食事に関してある程度は節制して食事を選らばなくてはいけないのですが、「食べない方がよいもの」を避けるだけでは実は不十分です。


では基本の2つめ「どう食べるか」について深掘りです。

実は「何を食べるか」と同じくらい、「よく噛む」という「食べ方」が腸に与える影響はかなり大きいんです。

食事のとき、よく噛むことで口に入れた食べ物は小さく砕かれ、唾液と混ざって消化しやすい状態になります。逆に噛む回数が少ないと、胃や小腸での消化に負担がかかり、小腸とつながっている大腸にも悪影響が!活動期の大腸にとってこれは大ダメージになります。

また、食物繊維はそのほとんどが消化されずそのまま大腸を通っていくので、活動期の場合は炎症部分をがさーっと傷つけてしまう可能性もあります。まるで傷口にたわしをこすりつけるかのように!

※不溶性食物繊維の場合

想像すると恐ろしいですよね…😂イラストにあるような食品は食物繊維が多く含まれているので、活動期は禁忌です。(葉ものはよぉく煮込めば多少はOKです、私の場合。)しかし食物繊維の少ない野菜や穀物にも、多少なりとも食物繊維は含まれます。食物繊維の多い食べ物を避けるのは大前提ですが、それに加えてどんなものでも「よく噛む」ということがとても大事になるのです。

そしてお腹いっぱい食べるというのも、その後のお腹の様子を観察しているとあまりよろしくないと実感します。消化するという行為そのものが重労働なので、弱っている腸には負担が大きいんでしょうね。


ということで、改めてUC活動期の食事の基本は、

「高脂質」、「繊維質」、「刺激物」を避け、よく噛んで!

すべてガイドライン通りで真新しい情報は無いです(笑)がしかし、自分の身体で実験してみて「確かに」と頷けるものばかりでした。

このようにけっこう気を配ったり、ガマンしながら食事をしていても、残念ながらダラダラと活動期が長引いてしまうこともあります。そんな日が続くと「もう何食べたって一緒じゃないのか?!」と腹立たしく思えてくることも…(笑)。しかし、そんな食事への努力は少なくとも「酷い悪化」は防いでいるはず!と信じています。

しかし人間たるもの、活動期であってもどうしても脂っこいもの食べたくなったりすることもあります。極度に食事制限するのもストレスなので、私は一口だけ!とか、多少はワイルドにやってるところもあります。(笑)


今回は「食事の王道」ということでかなりざっくりしたお話でした。ですが、まずはここを押さえておいた方が腸には優しいかなとまとめてみました。実際、活動期に私がどんなものを食べているのかは改めて別の機会にまとめたいと構想中です。私の場合、UCの活動期にかかわらず「グルテンフリー」で「ゆるカーボ」も実践中です。ただ、活動期となるとそれの実践も難しい事がありまして。その辺りの実情?も書けたらとおもいます🙂

活動期に関してはいろいろと大変で気に掛けることも多い潰瘍性大腸炎ですが、自分の身体の攻略とでも割り切って、楽しみながら付き合っていきたいと思います(‘ω’)ノまた、そんな自分を支えてくれる夫や家族にも感謝です😌

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